ロタの物語(その3) [ミニ童話]
丘を超えると、夕暮れのような草原が見えてきました。やがて、木がまばらに生い茂った森にたどり着きました。
まばらな木の周りには、所々数人の大人や子供、時には動物がいました。ロタが、近くの木の側に居る老人に、
「貴方は、何をしているのですか?」
と聞くと、老人は、
「星を磨いているんだよ」
と言いました。ロタは少し奥に行き、別の木の側に居る少女に、
「君は、何をしているの」
と聞くと、
「私は、星の種を育てているの」
と言いました。ロタは、理解できないまま、まばらな森の奥にどんどん歩いて行きました。すると、知らぬ間にロタは馬の姿に変身していました。
いつのまにか、日の出前の様にスカイラインがピンクで、天上が瑠璃色の空の下にたどり着きました。目の前に、リンゴのような実がたくさん付いた一本の低い木が有りました。
その木の傍に、父に似た老人と一頭のウシが寝そべっていました。馬の姿になったロタは、ぼんやりとその老人を見ていました。
<続く>
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