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ロタの物語(その4) [ミニ童話]

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 やがて、低い木の緑色の実に一条の光が当たると赤く色づきました。赤からピンク、そして黄色や水色に輝きだしました。

すると、牛が立ち上がり「モー」と鳴きました。牛は、足を引きずりながら、老人の背を押し、光る実の方に誘導しました。老人は目が悪いのか、牛の誘導に従って歩いて立ち止まり、光る実を捕まえました。捕まえると、木の側から離れて、その光る実を空に向かって力一杯放り投げました。光る実は、だんだんと瑠璃色の空に昇って、星のように輝き始めました。  


そうすると、牛は老人のそばに来て座り込みました。老人も、ホッとしたように牛の側に座り込んでいるのでした。 


  ウシの後ろ足を良く見ると、片方の足に古い傷が有りました。それは昔、ロタが母親に怪我をさせた右足と同じ方でした。

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 しばらくすると、また、次の実に光がさし、実は熟したように光り始めました。橙色の実は熱く光り、水色の実は凍っているように光っていました。老人の手は、火傷をした様に赤くなったり、凍傷の様に紫色になって、ひどく辛そうでした。

<続く>







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