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ツキ子の後悔(前 編) [外 伝[Gaiden]]

 ツキ子が三歳になる前に母は亡くなりました。

父は翌年に再婚をして、次の年に弟が生まれました。両親は自営業の仕事が忙しく育児がままならないので、ツキ子は半年ほど知人の家に預けられました。

幼い弟が居る家に戻ってからも、知人夫婦とは数年間はお歳暮のやりとりが有ったので、「ミサワのおじさん・おばさん」と呼んでいました。

 
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 ツキ子は新しい母親に懐き、弟とも仲良く暮らしました。高校に入学するとき、偶然に戸籍を見て、自分と母親は血が繋がっていないことを知りました。

そうするとなぜか、弟の成績が良い事や、自分が運動音痴なことが面白くないと感じる様になりました。

そして、新しい高校生活のストレスも有り、母親に「ひどい事を」言ってしまいました。

 夏休み、ツキ子はバスに乗って、父に貰った住所のメモを持ち「ミサワのおじさん・おばさん」の所に遊びに行きました。そのとき初めて、父の友人だったことを知りました。

 
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 ツキ子は高校を卒業したら短大に行きたいと思っていましたが、下請けの仕事をしている父母の自営業は生活がぎりぎりでした。

それに、最近自宅を新築したばかりでした。

結局、ツキ子は説得され就職する事にしました。普通科で平凡な成績だったので就職活動は大変でしたが、母親のつてで小さな会社の事務員になりました。

 平凡な通勤が始まりました・・・

 
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 ある日、弟がメスの子猫を友人からもらってきました。子猫は、ツキ子のストレスを癒してくれたので、子猫に名前をつけ大層可愛がりました。

次の年、そのメス猫は四匹の子猫を生みました。出産のとき、ツキ子は自分の部屋で眠らないで看病をしました。生まれた子猫は、オスが二匹、メスが二匹でした。オス猫は知人たちに貰われていきました。


後 編


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