コウが4年生のとき、大きな地震がありました。ちょうど、授業中だったので、1階の教室のコウ達は、桜の木の下に逃げました。小さな津波も来ましたが、学校は海から離れているので被害はありませんでした。学校の帰り道のコンクリートの橋には、亀裂ができているのが、分かりました。
  自宅とキチおじいちゃんの家に被害はありませんでしたが、シードおじいちゃんの家は建て直すことになりました。 シードおじいちゃんの家は、大きな家でした。と言うのも、東側半分は、馬を飼うための場所になっていました。家の真ん中の玄関と土間を入っていくと、薄暗い厩から特有の匂いがして、茶色の馬が動いているのが分かりました。

預けられていた幼い頃コウは、怖くてのぞくことができませんでした。おじいちゃんの家族が住んでいる西側には、囲炉裏もありました。そして、屋根は茅葺きでもトタンでもなく、コンクリートの瓦でした。





   シードおじいちゃんやロジおじさん達は、精米機のある大きな小屋に引っ越しして、古い家の取り壊しが始まりました。取り壊しの時は、大変な人数の大人が集まりました。大工さんのほかに、親戚中の男の人が集められました。大勢の男の人の食事の準備をするために、男の人の奥さんや家事ができる女の人も来ました。
 当然、お母さんたちは、学校に入学していない子どもや登校前の子どもたちも連れてきました。だから、日曜日の日には、小学生や中学生まで親についてきて、食事をして、遊び回って、まるでお祭りの様でした。
  新しい家を建てる時は、人数は減り、壊す時以上の日数がかかりました。今度の家の屋根は、トタンでできていました。
飼っていた馬は、いつのまにかいなくなっていました。