小学校では、授業時間に体育館で映画の上映会がありました。



  コウが大人になってからも覚えていたのは、子供たちが水の中の国にお母さんを探しに行く映画です。ラストシーンはゲームに勝ってハッピーエンドでしたが、コウは、水の世界に行きたいとは思いませんでした。


  孤児の男の子がサーカス団と一緒に旅をしながらお母さんを探す映画も覚えていました。少年は、すばらしい歌声を持っていたので最後にはお母さんと会えました。でも、コウは歌が上手になりたいとは思いませんでした。








  日本の映画も見ました。東京から転校生が田舎に引っ越してきて、クラスで仲良くなってゆくストーリーでした。森の中で蝶々が、脱皮する姿が美しく描かれていました。
でも、コウは友達を作るのが苦手だったので転校生になりたいとは思いませんでした。


 猿飛サスケの映画も見ました。コウは、サスケの様に忍術を使いたいと思いました。


  毎年一回、学区の中学校の吹奏楽部が公演にきました。この時は授業が終わってからなので、生徒の父兄も体育館に入場でき、体育館は満席になりました。
コウは、中学生たちがすごく大人に見え、その演奏に感心しましたが、自分で楽器を鳴らしたいとは考えませんでした。