シードおじいちゃんの家には、なにがしか食べ物が
ありました。
ハナおばあちゃんは二十歳前に嫁入りしたので
子どもが六人もいました。
だから、自分の孫はもちろんのこと、農業や漁業を
手伝いに来る親戚の人たちの子どもたちを入れると
七人も八人もいるときがありました。
   おばあちゃんは、時々、もち米の粉とすりおろした
長芋と砂糖を混ぜ、フライパンで揚げたおやつを作って
くれました。
その後、コウは大人になるまで、おばあちゃんの家以外
ではそれを一度も食べたことがありませんでした。






  シードおじいちゃんは、孫達が集まるとコーヒー牛乳を、
近くの牛屋さんから買った大きなビンの牛乳で割って、
コップに分けて与えました。
子どもたちはみんな、おじいちゃんのそのカフェオレが
大好きでした。