夏のある日、コウは、シードおじいちゃん(タミの父)の田んぼの草刈りに付いて行きました。田んぼは、おじいちゃんの家から結構な距離があったのでリヤカーに乗せてもらいました。
   おじいちゃんが一人で草刈りしている間、コウは、まだ
鎌を使えなかったのであぜ道の水路で草をちぎって流したり、浮き草をぼんやりと見ていました
   すると急に激しい雨が降ってきました。急いで二人はリヤカーの下に隠れましたが、雨は下着まで濡らすほどひどい降り方でした。
 雨が小降りになったので、おじちゃんの家に戻ると誰か
体を拭いて着替えをさせてくれました。コウは、雨に驚くこともなく体が冷えていることにも気がついていませんでした。ただ、おじいちゃんと一緒に草刈りに行けたこととリヤカーの下で二人でじっと雨が弱くなるのを待っている時間が嬉しかったのでした。