コウが小学校に入学する少し前に、タミは女の子を生みましたが生まれてすぐ亡くなってしまいました。
コウは、妹が眠っている奥の部屋にそっと入っていきました。部屋には、ほかに誰もいませんでした。コウは、布団に寝かされた妹の額に触りました。
コウの小さな手のひらにその冷たさが伝わってきました。
コウは怖くなって、大人たちの方へすぐに戻りました。



 

   お寺に運ばれた妹の白い棺が、墓地に掘られた穴に下ろされて、土をかけられ、タミの涙を見た時、死ぬことの意味が少しわかりました。