ある日、コウは仕事で足に怪我をしてしまいました。それを聞いたタミはびっくりして寝込んでしまいました。幸いコウは足のキズ口を数針縫って、数日仕事を休むとまた仕事に出ました。

  

  









 しかし、タミはそのまま、体が弱り寝たきりの生活になりました。 そして翌年、大きな手術をして人工肛門を付けた頃、ポツリと、「ああ、死んでしまいたい。」

とコウにつぶやきました。
コウは、いろんな思いをめぐらし、美味しいものを食べるのが好きだったことやあれほど楽しんだ旅行にもいけなくなったこと、そして、なにより孫たちにも自由に会えないことなどなど・・・考えましたが、何も良い返事が出来ませんでした。

 タミは数年間、寝たきりのまま家と病院の生活を繰り返しました。