コウは、長距離トラックの運転手になりました。コウは、ヨシの子どもたちにいろいろな支援をしました。







というのは、ヨシ夫婦が共働きで忙しかったからです。休みの日には、子どもたちを買い物に連れて行ったり、スポーツ大会の送り迎えや入学の祝いもしました。コウは、自分のためのお金は、絵を描く分があれば十分でした。  


 ある日、甥のレイとロジの孫のヒロ達が加入しているサッカーチームの試合の応援に行きました。二人のチームは市内の大会で優勝しました。レイが、休憩のとき汗を拭きながら言いました。
「おじちゃん、生きているってすばらしいことだね。」
それを聞いた、コウは、
「ああ。」
と答え、足元に広がるクローバーをぼんやりと見ながらいろんな
ことを考えました。