夏のある日、タミはコウを連れて北に住むおばさんの所に

バスで遊びに行きました。
コウは、大きくなっても、砂浜で手をつないで歩いた
ことや田んぼ道を走ったバスの光景、そして、布団に
横たわったときに夜の暗闇に浮かび上がったピンクの
おもちゃの電話機を思い出しました。
   まぶしい白波に向かって、熱い砂ととがった草の葉の
間を、手をつないで歩いたのは、母のタミだったので
しょうか。それとも、いとこ達だったのでしょうか。