コウは、おたふく風邪にかかりました。ダダは、コウを自転車の後ろに乗せて町中の病院まで連れて行きました。近所に小児科の病院は無かったし、ダダは、車も免許も持っていませんでした。


病院までは、片道15キロくらいありました。
コウは、ダダの背中につかまり、白い縁石と埃っぽい砂利道を走ったことを覚えていました。

 ちょうど、コウが小学校に入学する少し前から、海岸沿いの新しい工場地帯に舗装道路が作られ始めていました。