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第3章 小学校 エピソード7 川と海の変化 [第3章 小学校 [El school]]

   コウの家と小学校の間を、一本の川が横切っていて、夏になると小学校の上級生や中学生等大勢が、その川で泳ぎました。みんなは、川面に白いしぶきを飛ばしたり、河川敷の草むらで甲羅乾しをしました。
魚もいっぱい釣れました。でも、コウ達が上級生になる頃には、農薬や洗剤がたくさん使われるようになり、上流には新しい団地や小学校ができ水が汚れ、匂いがして、泳ぐ人はいませんでした。
大雨が降ったときには河川敷や土手の草むらにまで大量のゴミや木の枝が山のように積み上がりました。川底には、ビニールとか、ガラスやゴミの破片が散乱し危険なので、もう昔のようには泳げなくなりました。


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   河口の砂浜も川から流れたゴミが堆積し、海も工場からの廃液で濁ってきました。シードおじいちゃんの地引き網も、段々と回数が減ってきました。久しぶりに「網を掛けた」日、コウは、タミと一緒に浜に来ていました。海は、まだ青が残っていましたが、南側の工場に近い側の海は、沖の方まで、少し茶色が混じっていました。


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 水平線に小さく見える鉄でできた船を指さしながら、コウはタミに聞きました。
「あれは、外国の船?」
「あれは、カイシャの船だよ。沖で魚を取っているんだよ。」
とタミは、教えてくれました。

 何年かして、ロジおじさんたちは漁業組合を作って、小さな船を購入して、沖でサケなどを取るようになりました。
コウが高校を卒業する頃から、川の水は少しずつきれいになりました。



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※ 写真は、イメージです。本文とは直接関係ありません。


タグ: 子供
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