丘を超えると、夕暮れのような草原が見えてきました。やがて、木がまばらに生い茂った森にたどり着きました。






まばらな木の周りには、所々数人の大人や子供、時には動物がいました。ロタが、近くの木の側に居る老人に、

「貴方は、何をしているのですか?」

と聞くと、老人は、

「星を磨いているんだよ」

と言いました。ロタは少し奥に行き、別の木の側に居る少女に、

「君は、何をしているの」

と聞くと、

「私は、星の種を育てているの」

と言いました。ロタは、理解できないまま、まばらな森の奥にどんどん歩いて行きました。すると、知らぬ間にロタは馬の姿に変身していました。




 いつのまにか、日の出前の様にスカイラインがピンクで、天上が瑠璃色の空の下にたどり着きました。目の前に、リンゴのような実がたくさん付いた一本の低い木が有りました。

その木の傍に、父に似た老人と一頭のウシが寝そべっていました。馬の姿になったロタは、ぼんやりとその老人を見ていました。

<続く>