コウは、アパートの近くの川の土手に座り街の風景を見ていました。



 


 川の流れる音を聞いているうちに子供の時見ていた田んぼの透明なせせらぎを思い出しました。大人たちが田植えをしているときに、遊びながら見た浮草、せせらぎの底の柔らかい土の色と冷たく光る水。
その次々と流れていく水や、ちぎられた畦道の葉っぱのように、二度と帰らぬ子供のときの思い出が通りすぎて
いきました。

 





      




  アパートに帰ろうとして、ふと足元を見ると、異郷の川の土手にもクローバーが広がっていました。