第3章 小学校 エピソード2 隠れ家 [第3章 小学校 [El school]]
コウは、鳥の巣のような木の枝に体を預けて、いろんなことを考えました。
でも、それは「考え」というより、流れる雲のようなフワフワしたイメージでした。
なぜなら、コウは、毎日を遊びのように感じていました。
考えることなく、おなかがすくとご飯を食べて、何となく学校に行って、家の手伝いは言われたことしかしませんでしたし、ダダは仕事で忙しいので怒ったことがないし、将来のことなど話したことはありませんでした。
躾けらしい事もあまりありませんでした。
時々、家の手伝いをしないことに怒ったタミに頭をバシバシたたかれましたが、コウは訳がわからず、ただ泣いていました。
時々、家の手伝いをしないことに怒ったタミに頭をバシバシたたかれましたが、コウは訳がわからず、ただ泣いていました。
なので、コウは鳥の巣のような隠れ家で、大人の世界を見下ろしたり、ただボーッと雲を見ているような子どもでした。
そして、時々、何年も前に死んだ妹のことをふっと思い出しました。
箱に入れられ、土に埋められた妹の心はどこに行ってしまったのだろうと。
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