第6章 就職そして逝去 エピソード9 退 職(その1) [第6章 就職そして逝去[Work&Death]]
事務所の仕事を数年勤務した頃、上司の交代がありました。新しい上司は厳しい人で、今までしていた仕事も同じやり方では許可が下りませんでした。
コウだけでなく、事務所の全員に「やり直し」「やり直し」と言う上司でした。
コウ達の仕事は、途中までやりかけの書類が何カ月もたまってきました。
何カ月も残業をしましたが、片づきません。絵を描く時間などは全く無くなりました。
コウだけでなく、事務所の全員に「やり直し」「やり直し」と言う上司でした。
コウ達の仕事は、途中までやりかけの書類が何カ月もたまってきました。
何カ月も残業をしましたが、片づきません。絵を描く時間などは全く無くなりました。
そしてある日、コウはいつものように残業をしてアパートに帰り、ドアを開けようとしたとき、何故か涙があふれてきました。こんなことは、初めてのことでした。
部屋に入り、声を押し殺して涙を流しながらコウは、頭の片隅で思いました。
部屋に入り、声を押し殺して涙を流しながらコウは、頭の片隅で思いました。
(保育園を逃げ出しても迷子にならずに、おじいちゃんの家に たどり着いた自分が、今は迷子になっている。)
(子供の時、三社大祭で迷子になっても泣かなかった自分が、今は涙を流している。)
そんな風に感じると、ますます悲しくなり、涙は、後から後からあふれてきました。
そのとき、顔も覚えていないキチおじいちゃんが、「コウ泣くな、泣くなコウ」と背中をさすってくれているような気がしました。コウは、家族に会いたい気持ちがあふれてきました。
そんな風に感じると、ますます悲しくなり、涙は、後から後からあふれてきました。
そのとき、顔も覚えていないキチおじいちゃんが、「コウ泣くな、泣くなコウ」と背中をさすってくれているような気がしました。コウは、家族に会いたい気持ちがあふれてきました。
こんなことが何度かあった後、コウは連休の時に実家に帰りました。
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